ダンジョン攻略…
「キリエ…この下に何かあるよ」
「この下?」
「掘ってみるか?」
「誰が掘るのよ」
今、キリエ、絶望ちゃん、シルヴィ、毒酒ちゃんは毒沼地獄から北上。荒野を抜け、広大な砂漠に到着していた。
砂漠を抜ける途中で毒酒ちゃんがキリエを誘導。少し寄り道をする形で大きな砂丘に降り立った。
「一応グラトニーサンドワームの魔法は魔石を吸収したお蔭で少し使えるから、掘ってみようかー」
「わくわく…わくわく」
「なんだ毒酒、何があるか解らないのか?」
「解らないから…気になった」
キリエが砂丘のてっぺんに座り、砂丘に手を当てる。砂が割れる様に分かれていき、沈んでいく。
砂と一緒にキリエも沈んでいく様子を、離れて眺める三人。
「キリエ…沈んじゃった」
「沈んだわね」
「まぁ、その内出てくるだろ」
「「「…」」」
しばらく経ってから、ズボッとキリエの顔が出てきた。
「ねぇ、気付いたら1人だったから寂しかったんだけど」
「あぁ、我らも行くのか」
「うん、ダンジョンっぽいのあったよ」
「未発見のダンジョンかしら?」
シルヴィが興味を持ったので、四人はキリエの魔法で砂の中へ。
しばらく潜るとポンッと石畳の空間に落ちた。
「この先、続いてるみたいでさぁ。この感覚だとダンジョンだよね?」
「確かに、ダンジョンね。どうする?この面子なら攻略出来るけど?」
「うーん、別に欲しい物無いしなぁ…」
暇潰しにはなるが、目的は無い。ダンジョンの宝箱には、魔法が付与された武器や防具、エリクサーや貴重な鉱石があるが、凄く欲しいという訳ではない。
キリエとシルヴィが戻るかと話している最中、毒酒ちゃんは詰まらなそうに座っている。わくわくしたのにただのダンジョンだったので、ガッカリしていた。
「戻ろうか」
「そうねぇ」
「戻る…」
「あぁ、そういえば…」
「どうしたの?絶望ちゃん」
「確か、天空が言っていたんだけど…ダンジョンコアって迷宮を作る事が出来るのは皆知っているだろ?」
ダンジョンコアに魔力を通せば迷宮が作れる。周知の事実。
「天空はダンジョンコアを研究してた時期があったんだ。それで、試しにダンジョンコアを加工して、自分の身体に取り込んだ」
「ダンジョンコアを加工?それでどうなったの?」
「少し大きくなった。天空は身体が小さいのを気にしていたから喜んでいたよ。
つまり、成長しないとされる絶対種を成長させる事が出来たんだ」
「そ、それって…」
「あぁ、もしかしたら…おっぱいが大きくなる」
ピタッ。キリエ、シルヴィ、毒酒ちゃんの動きが止まる。絶対種を大きくさせる事が出来たなら、自分達にも可能性があるのではないか。そう思うのは当然だった。
「行こう」
「ええ、行きましょう」
「行く…ボインの為に」
「じゃあ決まりだな。我はダンジョンボスの魂を貰えればそれで良いから」
砂漠のダンジョン攻略が始まった。
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その頃、大教会の勇者達はダンジョンで順調にレベル上げをしていった。
「今だ!聖烈斬!」
『ギャアア!』
「はぁ、はぁ、これで、レベル500まで行った」
「凄いよ聖弥君!魔王を倒してから絶好調だね!」
「ああ!魔王を倒したらレベルが450まで上がったんだ!このまま行けば刹那も超える!」
御堂聖弥主導の下、他の勇者達もレベル100を超えてきた。レベル上げの効率の良い方法を探し、ドンドンレベルを上げていく。
「そろそろ、ボスの部屋に挑戦しよう。俺達なら行ける!」
「うん!ドラゴンも余裕だからね!」
大きな赤黒い扉の前に立つ勇者達。
重たい金属の扉を開け放つ。




