魔道具店
休日まで遠い目で過ごした。現在カナンは家のリビングでお茶を飲みながらボーッとしていた。
「にいちゃん」
「おう、リナどうした?」
「がっこうたのしい?」
「(学校ねえ……)人によっては楽しいんじゃないか?」
「にいちゃんは?」
「……」
「にいちゃんかっこいいから、おんなにもてちゃうだめ」
(おんなって……)
「リナ、安心しろ。にいちゃんはモテない!この前女の子に気持ち悪いと言われたばかりだ!にいちゃんのあだ名は『幽霊』と『幻想』だぞ!モテる訳が無い!(言ってて泣きそうだ)」
「そうなの?じゃあリナがにいちゃんとけっこんする」
「(癒されるなー)ありがとな、リナ」
期待した表情で見詰めるカタリナの頭を撫でる。
「このままじゃ、まったりしちまうなー。魔導具店行くかー」
家を出て、真っ直ぐ中央区の魔道具店に来た。魔法杖は魔道具店にあるらしいからだ。
「やっぱ中央区は儲かってるんかね?」
綺麗な外観を眺めてから中に入る。
青と白の壁に渋い棚、スッキリとした店内。商品は多くの種類がある。
(すげーな、冷蔵庫やら魔道コンロ、電気屋みたいだな)
可愛い店員さんを発見したのでロックオン。素早く近づき声をかける。
「すいませーん、魔法杖って見せてもらえますか?」
「はい、ご案内しますね」
(子供相手に丁寧だ、通ってしまうか?)
お姉さんの後ろ姿をうんうんと眺めながら付いていく。
「こちらです。ゆっくり見ていって下さいね、小さなお客様。」
(うわー可愛い)
ウインクしてくれたお姉さんの後ろ姿を見届け、杖を見るが100本以上ある。
(んー材質は色々あるな、木材、金属…おーすげー宝石だけで出来てるヤツあんぞ)
様々な種類の杖が並ぶ。こんなに種類があるのかと感心していく。
「すげーなー、こっちは指輪型かー」
宝石や魔石がはまった指輪が並んでいた。こちらも100個以上ある。細いタイプやゴテゴテしたもの等様々だ。
(こっちの方が使いやすいかな、ん?なんだこれ)
赤色と緑色に光る石のはまった指輪がある
(複数属性?火と風…か?)
「すいませーん、これなんですか?」
先程の店員さんを探し、指輪の場所まで、どさくさ紛れて手を繋ぎ訪ねた。
「これは火と風の魔力が込められた魔石ですよ」
「火と風が上手になる?」
「そうですね、上達は早いですよ。威力も上がりますし、貴重な品です。それだけ値段が張りますが」
(うげ……たけえ黒5枚か)
一般的な杖は金貨10枚からなので、だいたい10万円から。黒金貨は1枚1000万円なので五千万円くらいだ。
(ん?そういえばなんか似たヤツあんな、隠れ家で確認してみるか)
「おねーさんありがとー」
(良い収穫だな)