友達2
次の日の授業が終わり、誰も居ない図書室に来たカナン。悩み事がある様にうーんと唸っている。
(答えが出ないな、これは詰んだか?)
カナンは答えの出ない問題に、負のオーラが滲み出てきた。
ガラガラ
キョロキョロ
(んー……ん?)
「はぁー…」
(誰か近くに座ったな、俺と同じ負のオーラ出しやがって、図書室の空気が重てえじゃねえか)
少しイライラしているカナンは、誰や?とチラリと見る。
(エリ?)
「どうしたんだ?」
ビクッ「ひっ………」
(えっ?何この人みたいな目で見て、なんで?)
「いや、だからどうしたんだ?って…」
「……あなたには関係ありません」
(グハッ……泣きそうだ……昨日友達になったのに…)
「あ、ああ……悪かった……」
(だめだ……心が折れる……帰ろう)
「ボソッ(なにこの人…気持ち悪い)」
(聞こえてんぞ……)
カナンは普段メガネをかけているが、集団が苦手故に認識阻害のメガネだ。
このメガネはカナンの性格と同じで、ひねくれた性能をしている。魔法属性の適性が多い者、又は魔力の高い者には認識されやすいが、魔力が平均的な一般人には認識されにくい性質がある。
エリはカナンを探し隣のクラスの人に聞いたが、カナンなんていたっけ?と言われた。そして昨日会った彼は幻なんじゃないか探しに来たが、居たのは幽霊の様なメガネの暗い少年が居るだけ。
「友達なんて……もういらない……」
少年はグレる。
メガネをしているのを忘れていたカナンが悪いのだが……