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昔話

サティちゃんの戦闘は半端になってしまったので、前話に纏めておきました。

 絶界が解け、絶界が展開してあった場所は、ボロボロの死の大地になっていた。


 観戦していた者達が中に入り、中心で白目を剥いてピクピクしている3人を発見。


 微妙な空気の中、3人を回収して溟海の家へ運び、居間に寝かせる。


 3人が起きるまで暇なので、雑談する事にした。



「…リナちゃん。あの闘いは参考にしなくて良いからね」


「…はい…分かっています…あれはちょっと刺激が強い…」


「新作の下着を着けて舞い上がってただけだから、また元に戻ると思うぞ」


「普段のサティさんは優しくて大好きですよ。あっ、新作ってどんな感じなんですか?」



 微妙な空気を変えようと話題を変えてみるカタリナ。紅羽が何故その話題にした…という目で見るがカタリナは気付かない。



「紐よ」「えっ?」


「だから、赤い紐があるだけ。今紐がTの字になっているわよ」


「おぅふ…流石究極のエロフ…確認しなきゃ…」



 カタリナはすっくと立ちあがり、サティの胸を指でなぞる。確かに紐がある。だが何故頂点から紐がずれていないのかという疑問に埋め尽くされ、ぶつぶつと呟きだし、再び微妙な空気。溟界が居るので上手く乗り切れないアイと紅羽。



「溟海さん。古代に神種との闘いには参加したの?」


「一応海での闘いには援護はしたよ。その時からかな、天空、絶望、慈悲との交流が始まってね。究極エルフは内陸部での闘いが主で遠目にしか観れなかったけど、秘術は2、3人で行使していたからサティちゃんは究極エルフの中でも最強の部類だと思う」


「やっぱり強いのね。サティさん。その後は神種が勝利して神話の時代が始まったのよね?」


「そうだね。神種によって沢山の仲間が退化されたり、消されたりした。慈悲は霊山に封印され、アグニは眠らされ、絶望は地下深くに追いやられ、天空はなんとか空に逃げて暫く姿を消した。私は深海に身を潜めて過ごしたよ」



 思い出すように語る。考古学者が聞いたら論文を何冊も書ける程の貴重な情報を。



「でも神種はそんなに強かったんですか?」


「当時は他の星の力も使っていたからね。それに人間のほとんどを味方に付け、勇者と聖女みたいな存在を沢山作り出したんだ」


「だからお伽噺話での勇者や聖女の話が沢山あるのかしらね」


「それから神種に従った人間は、味方した褒美に他の星の知識を貰い、暫くして文明が栄えて古代文明って言われる時代が始まるって訳さ」



 溟海は、ふぅーっと一息付いてお茶をすする。



「疑問なんたが、古代では神種は普通に活動出来たのに、なんで今は我らの様な依代が必要なんだ?」


「ああ、それはね。敗けを悟った世界樹が、この星と天異界との間に結界を張ったんだ。網の様な結界で、弱い神種は来れるけど、力のある神種は本来の身体を天異界に置いて精神体でこの星に来るしかない。そこで依代が必要なんだけど…実際は神気に長く耐えられる存在なら何でも良いんだ。選り好みした結果だよ」


「はははっ、ワガママな神だな」


「そうだね。でも女性型じゃないと駄目らしいよ。男性型だと異形の存在になるらしい。詳しい事は分からないけど」


「じゃあ前世でアキが闘ったのは男性型で顕現した神だったから異形の姿だったんだな」



 紅羽はカナンの記憶で観た邪神の姿。様々な生物が合わさった様な姿、圧倒的な存在感に独り立ち向かった秋を心から尊敬していた。


 カタリナが思考の海から浮上し、雑談しながらゆっくりしていた。


 やがて、3人が目を覚ましだした。



「んぅ…あー頭痛え…なんだこれ…二日酔いみたい」


「秋ちゃん…一緒に逝けたね。…頭痛い…ナデナデして…」


「…頭痛い」



 起き出した3人は頭を抱え、疲れきった表情で虚空を見詰める。


 少しして月読は「…じゃあまた」と言いながら、ゆっくりと身体をプルプルさせながら、ハイハイをしてカナンの中に帰って行った。


 サティは身体をプルプルさせながら、「秋ちゃん…」カナンを寝室へ連れ込もうと頑張ったが、力が入らず再びパタリと倒れた。



「あー…悪い、サティちゃん寝かせといて…ちょっとこれはヤバい…帰るわ…リナ…行くぞ…」


「うん。兄ちゃん大丈夫?」「大丈夫じゃない…」



 皆に別れを告げ、カタリナと一緒にフラフラと王都を目指す。そのままベッドに倒れ込み、数日寝込む事になった。

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