歓迎会3
ゆらりゆらりと月読に近付くサティ。いつになくご機嫌な表情で剣を引きづりながら。
「月読。貴女は何処で感じるのかしら?手?脚?頭?胸?お腹?お尻?アソコかな?それとも全身?…一つ一つ試してイこうね!縮地…」
「_消えっ_ザシュッ!_ぐぅ…この…痛みは…」
「…無拍断空斬。ふふふ、痛いでしょ?痺れるでしょ?気持ち良いでしょ?この剣は私。今、解放して分かった。頭の中に流れてくるの、究極のエルフの闘い方が!」
サティに存在しているエルフの遺伝子から流れてくる情報。この星が命を宿した古来からの存在、星を守る始祖の力。絶対種の力がサティに闘い方を与えていた。
月読は再生した右腕を押さえ、痛みに耐える。感じた事の無い痛みに思考が狂う。
「これしき、痛いだけ!ディヴァイン・セイヴァー!聖闇乱舞_「崩天!」_ぐぉぉ!_」
全身のバネを使ったアッパーカットを腹に受け、前後左右に回転しながら宙を舞った
「次は…どこで…感じたい?」
______
「サティ、大丈夫なのか?数分なら持つって言ってたけど…あれじゃあ」
「まぁ…大丈夫だと思う…実際普段と言っている事はそんなに変わらない。ただ…声がすげぇデカイだけだ」
「確かに…声がすげぇデカイわね。普段は声が小さくて早口だから聞き取りにくいけど、それはもうハッキリと聞こえる。いつも超感覚で下ネタを聞こえてるのに聞こえない振りをしているリナちゃんの顔、真っ赤よ。可愛い…食べちゃいたいわね」
「食べちゃ駄目だぞ」
______
宙を舞う月読は体制を整え、地上のサティ目掛けて落下する
「…絶賛。聖槌掃討」
「やっぱり電光石火・雷光墜華斬!」
サティは月読目掛けて高速で飛び上がり_ザシュッ!「ぐっ_また…見えない!」_雷の速さのごとく月読の左腕を斬り飛ばす
「私ね。秋ちゃんが愛する人も愛する様にしているの。月読、大岩地割斬!」
斬!!両足を斬り飛ばされバランスを失い地上へ落下
直ぐ様再生するが、過度な痛みによりフラフラと立ち上がる
その顔は困惑、混乱を示しておりサティの強さの秘密を理解出来ない様子。
「ぐっ…くふっ、くふふふ。ここまでとは、流石は秋の嫁だ。巨大彗星群!」
ドゴゴゴゴ!巨大な彗星の乱れ撃ち
「加速」高速で避けていくサティ
ドオオン!「ちょっ!こっち来てる!来てるよ!月読さーん!」
カナンも必死に逃げる
「秋ちゃん…「滅殺」_っ!あぐっ!」
「よそ見をしている暇なぞあるのか?聖冥一閃!」
サティを斬りつけ追い討ちを掛ける斬撃_「元華一閃!_ギンッ!_秋ちゃんを狙うなんて卑怯な!波動砲撃!」
ギュンッ!「くっ…」至近距離の波動砲を辛うじて避けるが銀色のローブが裂け、チラリと胸元が見えた
「_っ!貴女…それ………なんて…ことよ……」
「ん?それ?」
笑顔だったサティの顔が無表情になり、徐々に怒りの表情へ変わる
「何故…何故」
______
「あっ…月読ちゃんに言うの忘れてた…」
「えっ?何を?サティちゃん凄い怒ってるけど、な、なんで?」
「サティさんこだわりが強いのよ、特にアキが居る時は…」
「いや、こだわりって…ってか生身で重戦車の力使ってるけど大丈夫か?」
「アイ、ちょっと」「何?紅羽_……_そうね。了解」
______
「縮地!「くっ、連殺」浮雲!鋼硬茨縛!「_身体が」崩天連撃!「っがはぁ!」龍槌斬魔砲!」
ゴオオオオ!
月読を貫く無慈悲な砲撃
ギシギシ。時間停止結界の絶界をも揺るがす超エネルギーが破壊と再生を繰り返していく
「ぐぁ…あ…ぅ…強い…」
吹き飛ばされ、打ち捨てられた様に倒れる月読にゆっくりと近付くサティ。その表情に怒りは無く、聖母の微笑みか貼り付いていた。
「はぁ、はぁ、愛の授業…しなきゃね」
ピキピキと空間が軋んでいた。
______
「サティちゃん…ルビで喋り始めたからもう限界かな…あれ?アイと紅羽が居ない…あれ?」
______
「アイ、上手く絶界から脱出できたな」
「そうね。なんとか抜け穴作れて良かった。アキは気付いて無いみたいだし、ゆっくり観戦しましょ?」
「にしてもサティ怖いな…一応下着をスク水にしといて良かった…」
「スクール水着なんて駄目よ。それは下着じゃ無いわよ」
「アイは?」「…貝殻よ」
「それ、戦闘中は痛く無いのか?」「……」
______
「この力は、痛みや快感を倍増させる…そして他の感覚を徐々に鈍らせる」
「くっ、だから段々対応出来なくなったのか…だがそれが無くても充分に強いな」
「強い?違うわ。愛よ」
月読はさっきから何言っているんだコイツは…と思っているが実力は上。口に出すと猛攻撃が待っているので密かに力を溜める。
「飛空波斬」
「もうすぐ一時間。行くぞ。ポテンシャル・アップ」
銀色の輝きを増加させ、サティの飛ぶ斬撃を躱しながら懐へ
「聖冥断概斬」
斬!サティを斬り
「…聖冥断滅」
斬り刻む
再生するサティが怯む様子が無い事に、我慢強いのか?と再度攻撃を繰り返す
何度も斬り付け、不気味な感覚を感じ、距離を取った
「痛く…無いのか?」
「ふふふ、秘術で痛覚遮断したの」
「…流石。ならば力を使い果たすまで滅するのみ。聖冥一閃…」
ガキンッ!「くっ」「駄目よ、折角秋ちゃんと一緒に居るのに普通の格好しちゃ。秘術・痛覚再燃」
「ぐぉぉ!…ぐぁ…」
痛みが甦る。再び斬り刻まれる痛みが。うまく立てない、痺れる。だが月読は諦めない。最後の最後まで闘いを楽しむ為に闘志を燃やす。
「究極エルフってね、今は失われた秘術の使い手。古代に神種との闘いで姿を消したのだけれど…願いを叶えたこの身体が教えてくれた。神種に退化の魔法を使われたみたい…」
「さっきから話がコロコロ変わるな。もうサティが力を解放するのは限界に近いか…ならば、月蝕」
星を集め、巨大な月が黒く染まる
「あっ、駄目だ…エッチしたい…秋ちゃん秋ちゃん秋ちゃん…ん?そうか。この感覚を月読にお裾分けすれば良いのか。ふふふ」
「奈落の_「縮地_ガシッ_」_何を!「ふふふ…秘術・全身性感帯」_っ!んっ(これは駄目だ!)」
(動くだけでイってしまう!)
「月読…イって…良い…んだよ」
「_星…乗り」
ギュンッ。星に乗り距離を取る。全身を支配する快感に耐えながら
「(もう、決めるしか)…闇夜を照らす月よ…深淵の扉を潜り…」
「秋ちゃん…もう…限界かも…」
サティはスチャッとメガネを掛け、魔方陣が刻まれた深淵の月を眺める。そして辺りを見渡しカナンを発見。「縮地_ガシッ_「えっ!?サティちゃん!?」」捕獲。
「秋ちゃん…心中しよ?」
「ちょっ!無理無理無理!見てよアレ!大きいじゃん!?すげぇ痛いんだよ!?聞いてる!?手抑えないで!?パーフェクション・ストレージが使えない!」
「じゃあ…秘術・痛覚変換」
「何をしたのぉ!サティちゃん!」
「何をって、痛いなら気持ち良くしちゃえば良いでしょ?」
「違うよ!?そんな状態で食らったら色々ブッ飛ぶでしょ!?」
「ふふふ、嬉しいくせに」
「全てを壊す永遠なる闇を…我は願おう…破壊を…そして歌おう…破滅の歌を…そして!」
ズンッ!深淵の月が肥大
絶界を埋める程の巨大な月
「我も消えよう!」
「ほらっ、月読も心中したいって!秋ちゃんと心中…これでまた1つ願いが叶う!」
「また強くなるの!?_っ!あれはアイと紅羽!抜け駆けしたな!」
「破滅の月歌!」
「一緒に逝こう?」
「いぃやぁぁぁぁ!」
絶界内を破滅が支配した




