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秋とグリーダ

おまたせしました。明日完成ですが順番に投稿していきたいと思います。

 絶界の中には、カナンとグリーダ。それと隅に移魂の法の魔方陣と聖女キリエが横たわっている。

 カナンは、左頬をおさえ、睨み付けるグリーダを見据えながら準備を進める。


「アイ、絶界の管理宜しく」「はーい」

「紅羽、移魂の法とキリエを宜しく」「任された」


 アイと紅羽が石から出てくる。アイはカナンから絶界の管理を任される。白、紫色の魔力を絶界に馴染ませ絶界はアイの制御下になった。

 紅羽は魔方陣の方にトコトコ歩き、んしょんしょと黒い結界で魔方陣とキリエを囲い、4属性の精霊石と白色精霊石を設置。強固な結界が出来上がった。


「何者だ!こんな事をしてただで済むと思うのか!極刑だ!一匹一匹拷問して殺してやる!」

「直ぐに本性を現しやがったな。相変わらず短気なこって」

「貴様など余が直々に殺してやるから感謝するがいい!」



 グリーダが魔法を発動する。赤、青、黄、緑、黒の魔方陣が出現。

 魔方陣が重なり、魔力の奔流が吹き荒れる。


「へえ、お前も少しは努力という物をしたんだな」

「余の顔を殴った貴様は万死に値する!魔装・知恵の女王(ウィズダム・クイーン)!」

「珍しい、魔法特化か」



 五色のスパンコールが輝く、丈の長い黒いドレスに身を包み、頭には黒い王冠。

 眼に宿す怒りが表に現れる様にドォフ!と魔力が溢れ出る。

 多数の魔方陣が現れる中、魔法特化はアイ以外に初めて見たなー、とカナンは答えを擦り合わせる様に分析していく。


「ふーん。白色の魔力に適応出来なかったのか、霊山に入って身体に溜まった白色魔力が魔力スポットに触れたか、濃い方に流れた訳だな」


 赤色の魔方陣が輝いた。

「灰となれ!サン・フレイム!」

 白く燃え上がる太陽の炎が縦横無尽に放たれる


「超位魔法か、やるねえ。アイスシールド」

 カナンは炎に合わせて氷の盾を展開

 ゴオオ!太陽の炎が氷の盾に直撃


 カナンが炎に包まれる中、グリーダは追撃

「アイス・ブリザード!」

「ファイアシールド」

 炎が氷の吹雪によって消され、動かないカナンが白く見えなくなる程の吹雪に包まれる


「_まだ魔力が消えぬ!超位魔法を受け生きているというのか!_クレイジー・コメット!」

「アースコーンシールド」

 目を見開きながら土の超位魔法を発動

 ドオオオ!__

 大きな彗星を落下させ、カナンを押し潰す


「本当に何者なのだ!ハイ・プレッシャー!」

「ウインドスフィアシールド」

 ギュイイン!__

 気圧を操作、カナンを圧殺しようと圧力をかけていく

 ギシギシと大気が軋んでいるが、カナンは動かない



 黒い魔方陣が鈍く輝く

「_くそっ!これで止めだ!ベノム・カルネージ!」

「クリーンアップライト」

 ボオオオ!致死性の毒ガスが周囲に放たれるが

 なんだ毒か、とカナンは浄化の光を放つ



 光が消え去り、絶界内には、肩で息をするグリーダと白い仮面の少年が最初の姿と変わらずに佇む。


「な、ぜ、効かぬ。何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ!」

「練度が違う、場数が違う、死線を越えた数が違う。温室育ちの魔法使いには分からねえよ」


 グリーダはカナンを睨み付けながら自身の左手の指に嵌めている指輪に手を添える。すると指輪から瓶に入った七色の液体が現れ、それを飲み干した。


「目的は…なんだ」

「目的?最初に言ったろ?_(収納の指輪、迷宮産だが容量と大きさの制限があるな…エリクサー専用か?)_復讐…簡単に言うとお前を殺そうと思ってな」

「…ふっ、余を殺す?世迷い言を!」

「お前は生きているだけで害悪なんだよ。あの魔法玉の魔力も私欲の為に国民を殺したんだろ?」


「余は選ばれし者だ。ゴミ虫がいくら死のうと関係無い。むしろ余の踏み台になれた事を感謝して欲しいものだな!」

「自己中のお手本だねえ。まあ理解なんざ出来ねえし。とりあえず…」


 ただでは殺さない。冷えきった視線を向け、カナンは魔法を発動する。魔方陣が複数展開した。


「ここまでこけにされたのは久しぶりだな…ゴミ虫め。鳴いて詫びるまで痛め付けてくれる」


 グリーダも魔力を解放。禍禍しい力が吹き荒れる。

 どす黒いオーラが渦を巻き、グリーダの魔法が完成する


「ブラッディ・クロスレイド!」

 ドォフ!ドォフ!ドォフ!無数のどす黒い十字架が地面から突き出て辺りを埋め尽くす


「あん?シャイニング・ブリザード」

 パキパキパキパキ!どす黒い十字架を輝く吹雪で凍らせていく


 どす黒い十字架が凍り、無数の氷の墓標が立ち並ぶ


「くはは!ブラッディ・フィールド!」

 ドオオオオ!どす黒い凍った墓標から邪気が溢れ出る


 絶界内に邪気が充満した


「邪属性_固有魔法だと?まさかお前!」


「くははははは!余は進化したのだよ!魔王にな!」


「まじかよ…進化の秘術…使いやがったのか…」


 カナンは、自信がみなぎる高笑いを聞きながら遠い目で呟く。



「アホだな」




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