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待ちに待った

≪やはり、止められなかったか≫

≪申し訳ありません教皇様…大司教ナゴル等、強硬派は教徒達の過半数以上を味方に付けています≫

≪そうか…こんな事をして、ナゴル、グリーダ共に天罰が起きるぞ。それにキリエ様は起こしてはならない≫

≪明日の昼、晴れの場合に決行だそうです…≫

≪きっと夜には、わしは幽閉されるだろう…まだ手遅れでは無い、方法はある。しばらくは頼んだぞ≫

≪かしこまりました≫


 教皇の部屋にある盗聴器から会話を盗み聞き。トップが強硬派じゃないだけ救いだな…カナンは呟く。復活ショーが明日の昼に行われると聞き、急いで最終調整を行った。


 そして夜が開け、待ちに待った聖女の復活ショーが始まる。


 カナンは白いローブに身を包み、白い仮面を手に持っている。仮面は刑を実行する際に付ける予定だ。


 現在10時頃、天気は晴れ。森の拠点から飛び立ち、大教会の街の中央広場へ向かう。上空から気配を消して眺める。


「うわっ、人がすご過ぎて地面が見えない…某マーケットかよ」

『人の波だわ』

『カラフルな波だな』

『あの中に居たら酔いそうだねー!』


 広場に集まる人、人、人。大教会への道以外に、数えるのを諦める程の白い服を着た教徒が押し寄せている。

 人々にとって聖女とは希望の光なのだろう。期待を込めた表情が多数見受けられる。


「聖女なんて居なくても、世界は回るのにな…人ってのは支えが無いと駄目なのかね」

『私はアキが居ないと生きていけないわよ?』

『我も』

『じゃあ私もー!』

「ははっ、ありがとな。俺も皆が居なかったら、目的の無い人生だったと思う」


 広場の中心では着々と準備が進んでいる。

 魔方陣が描かれ、位の高いであろう人が周りを囲み、祈りを捧げている。魔方陣の上には沢山の玉が設置してある。


「やっぱりあれは魔法玉か…恐らくあの中に、ロブ王国のスラムの住人から絞り出した魔力が入っている」

『人間は欲張りね』

『我も人間の犠牲の上に立っているが、正当防衛って奴だからなー。これとは違うよね?』

『紅羽の記憶もたまに観れるけど、太陽をボーっと眺めて何もしていないのに、総攻撃で襲われていたわね』

『おっぱい揉まれたのー?』

『その襲うじゃないぞ、リーリア。アキ、我の初めてはアキだから安心して良いぞ』

「あっ、やめて!思い出させないで!」


 次第にざわめきが大きくなってきた。大教会の方から時代劇で見るような白い駕籠を持った四人の教徒が2組やってくる。恐らく聖女とグリーダなのだろう。カナンの表情が抜け落ちてくる。


『アキ、最初は何をするの?』

「んー…とりあえず顔面殴るか」

『やはり王道の先制攻撃は拳だな。流石アキ』

「そうだな。強硬派のトップも共犯だから、ついでに殴るか」


 白い駕籠が魔方陣の外に置かれた。その時大教会から豪華なローブに身を包んだ男性がやってくる。


「親愛なる教徒達よ!もう安心です!聖女様が復活する時が来たのです!」

『『『おおおおおおおお!!!』』』

『聖女様!』『聖女様!』『聖女様!』


 爆発した教徒達の歓声により、広場が揺れる。力一杯聖女呼ぶ教徒達を見て、カナンはアイドルのコンサートのアンコールみたいだなーと落ち着き払っている。


「そして今回、聖女様復活の人柱となられるお方を紹介しましょう!我々教会や全ての人々の為に、そして世界の為にその身を捧げて頂ける、ロブ王国のグリーダ様です!」


 駕籠の1つが開き、中から一人の人間が出てくる。


「わたくしはグリーダと申します。皆様の為、世界の為に人柱になる事に決めました!わたくし一人の命で世界が救われるのであれば、喜んでこの身を捧げましょう!」


 白い衣に身を包み、白い肌にスラリとしたスタイル。

 サラサラとした金髪が映える妖精の様な姿。

 教徒達が息を呑むほどの美貌を持った元ファー王国王女グリーダ・ファー・アデライト。

 現在はグリーダ・ロブ・クリセンスと名乗る、20歳程の女性が魔方陣の中に足を踏み入れる。


 そして、もう1つの駕籠から聖女キリエが運ばれる。慎重に運ばれるその姿は、白い衣に身を包み、白い肌がきめ細かく、寝ているだけと思わせる様な一目で美しいと思わせる生気のある顔。

 サラサラのストレートの銀色の髪が風で靡いている。


 キリエが魔方陣の中に運ばれ、寝かされる。

 そして魔方陣に魔力が通い、輝き出す場面で…


「さて、行くか」


 白い仮面を付けたカナンがシュタッと魔方陣の前に降り立った。


「なんだ貴様は!がっ!…あが…」


 とりあえず大司教ナゴルを殴り黙らせる。


「何故こんな事を!やめて下さ_「必殺パンチ」_ぎゃっ!」


 カナンは仮面の下に表情を隠したまま、グリーダの顔面に必殺パンチを挨拶代わりにお見舞い。

 グリーダは魔方陣から殴り飛ばされ、大教会への道に投げ出された。


 ダンッ!__

 カナンは足を踏み込み魔方陣を破壊。

 パリンッ!パリンッ!パリンッ!魔法玉が割れていく。


「お前、昔の姿に戻ったんだな。そのお陰で色々と思い出してな…手元が狂いそうだ」


 カナンは白、紫色の魔方陣を展開。


「_ぐっ、貴様!何をする!」

「何って、勿論…復讐だよ。_絶界・白!」


 周りの混乱している教徒を押し出す様にドーム型の絶界を発動。カナンとグリーダを包み、直径100メートルの二人きりの空間が出来上がった。


「ああ…やっと…この時が来た…待ちに待った…クズに殺されたチビ達の…皆の無念を晴らすこの瞬間を」

一気に書きたいので数日の時間下さい…なので少しお休みします


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