大教会へ
すみません、台風の復興あるので更新が遅くなりそうです…
その後、カナンとアイが協力して加速空間の部屋が完成し、精霊の森に設置した。空間を圧縮して持ち運び出来るサイズで間取りは2LDK、時間を調節出来、最大1日で1年過ごせる程時間が延びる。いつも修行で使う加速空間と大差無いが、集中した作業が出来るのでカナンはご満悦だ。
「よし、出来たー!…サティちゃん、出来た記念にエッチはしないよ。首絞まってるから腕を離してね」
「秋ちゃん、見て。このパンツ」
「シースルーだね。いや透明にしか見えないよ。履いてないよね?え?履いてるの?見たい…じゃない。脱いじゃ駄目だよサティちゃん」
目的の物が出来たのでふぅーっと一息付いて隣に座るサティを見る。加速空間に居たお陰でほんの少し副作用が治った様に見えるがまだまだ盛んなお年頃だ。
「アイ、この運動着キツくないか?後なんか恥ずかしいんだけど…」
「大丈夫よ紅羽、それが普通なの。アキに見せてあげたら?懐かしがるかもよ?」
「そっそうか、アキ!アキの世界の運動着を着てみたんだ!似合うか?」
振り返ったカナンの目が見開かれる。余程の衝撃の様だ。
「な、なんだと!紅羽様!ブルマではないですか!小豆色とは分かってらっしゃる!アイ様!見事なお手前で!」
「えっ、なんかちょっとキモいぞ。そんなに見ないで恥ずかしい…」
「喜んで貰えた様ね」
「秋ちゃん、興奮してるからチャンスかな?亀甲縛り「ぐっ!サティちゃん何故その魔法を!」一回使ってくれたでしょ?」
「流石ねサティさん」「やるな、サティちゃん」
「へへへ、紅羽ナイスアシスト、アイも精霊石ありがとね。やっと秋ちゃんに魔法掛けれたよ。後2週間分は時間あるからじっくりいこ」
「ええ」「ああ」
「やめてー!!」
――――
―――
――
「後数日で復活ショーがあるから、そろそろ行くぞー」
「「はーい」」
サティは満足して帝都に向かい、復活ショーまで後少しの日数になった。準備を終え王都を出発する。天気は少しパラパラと雨が降り、街に向かって馬車を急がせる商人の姿が目立つ。
雨はシールドで防御出来るので傘変わりに使い、南へ向かう。ファー王国から大教会は南に真っ直ぐ行き、少し西にずれたら見えてくる。
「宿は満杯だろうから近くでキャンプするからな」
『『『はーい』』』
「予定としては、最初に大教会に忍び込んで偵察かな。あちらさんの予定の確認。聖女の確認。禁書庫へ行く。2日で回れれば上々という所だけど」
『私達は待機するわね。白色の精霊石で白色の属性取れたから調整したいし』
アイと紅羽は白色の精霊石を取り込んで、白色の属性を手に入れている。単色の精霊石なので、4属性の精霊石よりも簡単に属性を手に入れた。
寄り道はせずに大教会付近まで飛ばす。次第に雨足は強くなり、着く頃には悪天候のお手本の様に激しい雨が降り注いでいた。
「街の中行く?特に見る物は無いけど…」
『晴れたらで良いわよ。ファー王国の方が見る物多いし』
「だよな。森の中に家でも建てるか」
霊山の麓にある森の中へ行き、いつもの家を作る。深夜に忍び込むので、それまでは皆でゆっくりする事に。
「アイと紅羽って白色の魔法って何か使える様になった?」
「我は白色は苦手だから、耐性が付いたくらいだ」
「私は超位くらいなら複合も使えるわよ。時空に比べたら簡単だもの」
「あーそうだよな。俺の固有能力で魔力のサポートしないと、時空の複合なんてまず習得出来ないしな」
「じゃあ我もアキの固有能力で地球の理を引っ張れるなら、バ○スとか使えるのか?」
「紅羽駄目だよ言っちゃ。似たような魔法あるし」
古代の魔法玉を試しに使って、カナンの記憶を転写してみた。内容はアニメ等。石の中の住人がモニターでよく観ている。そのお陰で紅羽の冒険心に火が付き始めている。
「まあアニメとかゲームの魔法とか技も出来るけど、理論が複雑だから時間が掛かるんだよなー」
「へえー他に何作ったの?」
「魔眼とか、召喚魔法とか、合体とか、長距離転移とか?まだまだあるぞ」
「アキと合体したい」
「アイとして力加減を間違えたら、世界が壊れるから駄目だよ」
「大丈夫、安心して、ちょっとだけだから、先っちょだけだから」
「だーめ」
ゆっくりしながら深夜を待つ。街からは数キロ離れているので街の喧騒は聞こえず、雨音が聞こえてくる。
やがて夜も更け、深夜になった。
「準備は万端」
黒い服に黒い仮面を着けて出発。住人たちからの受けは良くないが仕方ない。警備が厳重で万一見られたら困るから。
「さて、行くか」
仮面の下に笑顔を隠しながら大教会へ向かった。




