エリクサー作り
5日後の週末になって、精霊の森にやって来た。
『カナン』
「よっリーリア、昨日エリクサー作ろうと思ったんだけど…作る時にピカピカ光るから、王都じゃエリクサー作れないなって気づいてな。隠れ家に来たよ」
『まってた』「ははっ、出来るだけ来るからな」
「さてと、作るか」
精霊樹を取り出し、切り目を入れて樹液を取り出す。
「そういやここに来るなら持って帰らなくて良かったよな…よし、しばらく放置っと」
赤い薬草と銀色よもぎをゴリゴリとすりつぶす。
「銀色よもぎって魔力スポットにしか生えないから高いんだよなー。あとはこの純白キノコに魔力を込めてっと」
純白キノコが七色に染まる。
「みんなこいつの価値を知らないでドバドバ料理に使いやがって…確かにシチューに入れたら美味しいけど」
精霊水を取り出し鍋に入れ、すりつぶした薬草とキノコをそのまま入れ火をかける。
「後は樹液を少しずつ入れて混ぜれば出来る。気長に行くかー」
グツグツ
ぐるぐる
グツグツ
ぐるぐる
『カナン…くさい』
「……少し我慢してな…なあ、リーリア、妖精は匂いってわかるのか?俺が臭い訳じゃないよな?」
『びんかん』
1時間後、ピカピカと鍋が七色に輝き出した。
「完成っと、流石俺、手慣れてる。前世は時間を加速させながら作ってたからすぐ出来たけど…もう少ししたら量産だな」
七色の液体を丁寧に瓶に入れていく。
『おいしい?』
「味は美味しいぞ、でも飲み過ぎると年を取らなくなったり、他にも副作用があるから、扱いは気を付けないといけないんだ」
『ちょっとちょうだい』
「はいよ。どうするかなー、早速夜に行ってみるか」
「妖精王女とやらがなんだ、こちとら本物の妖精が居るんだ。可愛さでは負けないぞ」
『…ありがと』
「くっくっく、王女よ待っていろ、実験体にしてやる」
前世での因縁がある王族。嫌悪感を出すカナン少年の王族嫌いは直るのだろうか…