帰宅
「帰らないと…な」
ギシギシと軋む身体を引摺り、更地になった森を見て呟く。
「穴このままで大丈夫かな?…ん?なんだ?」
何か落ちている。
「宝石?ダイヤモンドみたいだな」
赤、青、黄、緑に煌めく10センチ程の石。
「んー?もらっとくかな」
首を傾げながらストレージにしまう。そしてトボトボと歩き、精霊樹まで戻ってきた。
『カナン…ありがと』
「おうリーリア、いいってことよ。案内してもらったからな」
周りを精霊が飛び回っている。感謝する様にチカチカと点滅を繰り返している。
『おれい…いってる』
「ははっ、もう捕まるんじゃねえぞ」
蒼白く光る精霊に触れると、少し温かい。生きているんだなと思わせる暖かな感覚がした。
「そろそろ帰るな」
『…リーリア…カナンといきたい』
「……リーリア、ごめんな。人間ってのは良いヤツも居れば悪いヤツも居る、連れていくと危険なんだ…」
『…そう…わかった』
「遊びに来るから」
『うん…』
(ごめんな)
「モデル・ハウス」
木で出来た一軒家を作る。
「マーキング」
次来た時に迷わない印を付け
「時間が出来た時はこの家に帰ってくる、精霊の森の俺の隠れ家」
『まってる』
「またなリーリア、精霊達」
ふっと笑い、森から飛び上がる。
夕日に照らされた精霊の森は金色の絨毯のように輝き、見送りをしてくれているのかなと、呟き家路を急ぐ
『カナン…せいれいと…ようせいの…かご…あげたよ』
薄暗い中王都に到着、ボロボロの服を見たカナンは、あぶねえあぶねえと、ストレージから出した服に着替え家に入る。
「ただいまー(間に合った…)」
ご飯を食べて、倒れ込む様にベットに倒れこんだ。
(げん…かい)
そして
「にいちゃん、だいじょうぶ?おじいちゃんみたい」
全身筋肉痛で3日程まともに動けなくなった。
マーキング~無属性下位魔法、印を付けた場所に迷わず向かう事ができる。人にも使える為、ストーカー目的で使うと捕まる
精霊の加護~精霊と仲良くなりやすいが、人間との関わりが薄くなる。人間社会では、ぼっちになりやすい加護。
妖精の加護~恋愛運が上昇する、しかし精霊の加護の効果と合わさり、人間との恋愛は成就しにくい。




