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オード対ユウト2

『ユウト選手!ドラゴンの様な風貌!…え?何?…今入った情報によりますと、竜化というドラゴンの力を得られる固有能力だそうです!凄いです!竜の勇者様じゃないですか!結婚してくださーい!』


「で、カナン君、強いの?竜化ってヤツ」

「使い方によってはなー。制御が甘いから長くは持たんだろ」

「でもドラゴンだよ!」

「んー。身体能力上昇と何か固有能力が付くんだけど、白いからホーリードラゴン?セイントドラゴン?かわからんがそいつの能力かなー。超再生か、竜魔法か、バリア能力か?」

「なんか凄そうじゃん!」

「まあ大丈夫じゃね?あそこに立っているのは愛しのオード兄さんだぞ?」


 どっちにしても応援してやれよ。ニヤニヤ言うカナンを睨み付け茜は直ぐにオードへ視線を移す。


「オード君。頑張ってね…」



 ―――


 余裕の表情でオードを見据えるユウト。黒く細長い瞳孔が獲物を狙う狩人の様に怪しく輝く。


「長くは持たないが貴方を倒すには充分」

「言ってくれるねえ。そろそろ攻めるか」


 ゴオオ!と両者から魔力が溢れる


 ユウトの剣が白く輝く

「聖竜破斬!」

 白く力強い斬擊

「蒼炎連斬!」

 蒼い炎の斬擊を連続して放つ

 しかしバシュッバシュッと蒼い炎がかき消され

 聖竜破斬が迫る

「うおお!蒼炎彗断!」

 凝縮した蒼い炎を放ち


 ドオオオ!相殺


「聖竜螺旋擊!」「蒼炎烈波斬!」

 直ぐに動くユウト、対応するオード


 ギャリギャリとぶつかり

 眩しい程の爆発


 光が晴れる


 そこには50メートルを優に越す巨大な大剣を持ったユウト

「聖竜の鉄槌!」


「…はぁ、蒼炎じゃ無理か。黒炎!」

 ボオオオ!黒い炎が立ち込めオードを包み込み螺旋を描く

 迫る純白の大剣

「もう何をしても無駄だ!」

「黒炎剣技…」

 ゴオオオ!オードが手に持つは、大きな黒い炎で出来た歪な剣

「獄葬…」

 純白の大剣を一閃

「断滅!」


 ブゴオオオ!純白の大剣は


 バシュン!「_っな!」黒い炎にぶった斬られ

 白と黒の光が闘技場を包み込み

「ぐっ…あああ!」

 ユウトを闘技台端までぶっ飛ばした


『何が起きたんですかー!なっ!あれは!オード選手!黒い鎧を纏っています!炎の魔装だけでなく闇の!いや、違う!闇の炎だ!なんという事でしょう!複合属性の魔装だー!格好良すぎるー!』


「ぐっ…あがっ…」

 ユウトの胸から腹にかけて裂傷と焼きただれた身体


「もう降参しとけ、お前の身体が持たない」


 それでもゆらゆらと起き上がるユウト

「…ふ、ふふ、まだだ」


「ん?なんだ?傷が…」

 ユウトの身体が徐々に治っていく


 1分もしない内に裂傷は消え去り、焼きただれた身体は治った

「ふふ、俺は光属性のドラゴンの力を持っている」

「再生能力か」

「そう、だから俺は」

 光の魔力が増大する


「死なない!ドラゴンパワー!」

 ユウトの身体が盛り上がる


 超再生、人間が持ち得ない能力にオードは驚愕しつつも、獰猛な笑みを浮かべ

「やるねえ…くくく、死なないなら」


 精霊樹の木刀を床に突き刺し、付けていた指輪を抜き取り


 虹色のダイヤモンドソードを引き抜いた

「本気を出せる」


 ボゴオオオ!黒い力の奔流がうねりを上げて舞い上がった


 ―――


「超再生に竜魔法かー。チートだねえ」

「強くなったね。でもオード君凄い、なんて力なの」

「兄さんは昔から鍛えるのが趣味でねえ、普段から魔力を封印して負荷をかけてるんだよ」

「え?今までそんな状態で闘ってたの!?」

「そうだね、今は封印の指輪は一個が限界だけど、その内増やしていくらしいよ」


 こんな風にね。とカナンが見せた手には全ての指に嵌まった封印の指輪。茜は引いた。どんなバトル漫画だよと。


 ―――


「…ふふ、流石俺が見込んだ人だ、是非ロブ王国に来てもらいたい。貴方の力が必要だ」

「悪いね、師匠の所でもう就職先は決まってんだ」


「残念、本当に残念だっ!」

 ユウトは剣を投げ捨て

 シュッと闘技台の端からオードの所まで一瞬にして移動


「竜擊爪!」

 竜の爪を振り下ろす

「パリイ」

 ギャリ!受け流しユウトの削れた腕が再生

「竜翔擊!」「獄葬連擊」

 下から突き上げる攻撃を黒い炎で連続してぶち当てる


 ユウトの腕が千切れそうな程にボロボロに

「ぐっ、まだまだ!ドラゴンオーラ!」

 薄い膜の様なものがユウトを包む

 再生速度が上がり

 ギュルギュルと逆再生する様に元に戻る


「はぁ、はぁ。__っ!何処だ!_上か!」


「炎剣奥義、派生…黒」

 10メートルを軽く越す大きな黒い太陽

 ユウトの顔がひきつる


「黒転…天照!」「うおおお!セイント・ドラゴンブレス!」


 黒い太陽が堕ち

 迎え撃つ聖なるドラゴンブレス

 ドオオオオオオ!ぶつかり合う光と闇


 バアアン!混ざり合う事無く相殺


 爆発音と共に闘技場は再び白と黒に埋め尽くされた


『もう凄すぎて訳が分かりません!実況失格と言われようが分からないものは分からないのだ!』


 バチバチッ


『まだ眩しい光が立ち込めてる!闘技台の中はどうなっているんだ!…ん?』


「雷光一閃…」

 バチバチバチバチッ


『何の音ですか?』


「天地を裂く…」

 ドドドド


『光が晴れて来ました!両者決着は付いたのでしょう…か…』


「御雷の裁き!」


 人々は目にする


 白と黒の光が晴れた時


 天に昇る紫の雷柱


 剣を振り抜いた体制で止まる紫の騎士

『うそ…かみ…なり』

 それを目にした瞬間


 視界が紫に染まり


 轟音が鳴り響いた


『また見えないー!』


 ―――


 戦闘の光景をサングラスをしながら観ていたカナンと茜。


「兄さん」「オード君」


「「カッコいいー」」


 ―――


 視界が戻る


 そこには気を失ったユウトを抱えるオードの姿


 気を失っているユウトの顔には晴れやかな笑みが浮かんでいる。全力を出し切っても尚届かない存在。目標となる存在が現れて嬉しい気持ち、兄の様な安心感。それがその笑顔に詰まっていた。


「なあユウト、師匠(カナン)はこれをシールドだけで防御すんだぜ。…最強の道のりは険しいぞ」



『勝者!オード選手!』


『『『オオオオオオオオ!!!』』』


 再び闘技場が揺れた


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[一言] 竜擊爪!」  竜の爪を振り下ろす 「パリイ」  ギャリ!受け流しユウトの削れた腕が再生 「竜翔擊!」「獄葬連擊」  下から突き上げる攻撃を黒い炎で連続してぶち当てる のパリィです…
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