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097 舞い降りるドラゴン

2017. 1. 6

投稿日を変更いたします。

霧が晴れ、空が見えた。


その時、ちょうどバルドとノークの魔導具の効力が切れる。


「ま、間に合った……」

「……かなり……っキツイっ……っ」


ノークは、一般的な薬師よりも体力があるらしく、なんとかここまで丸一日、ほとんど休みを取らずに登ってきた。


ただ、今までは魔導具で張った膜がいつまで保つかとヒヤヒヤしながら必死だった。その為、お腹が空いている事に気付かなかったらしい。


既に二人はエネルギー不足で倒れる寸前だった。もちろん、ファナとラクトも食べていない。毒霧の中で食べる気にならなかったのだ。


「先ずご飯にしよっ」

「……腹減った……」


バルドはお腹が空いている事に気付き、ヘタリ込んでいた。ノークも限界らしく、座り込んで朦朧としているらしかった。


とにかく食事をと食べ終わると、ファナ達に向かって突風が吹き荒れた。


それが上からだと気付くと、全員が反射的に上を向く。すると、一気に影が落ちてくる。


《……黒のだ》

「あれがっ!?」

「……っ!?」


バルドとノークはドランを見ていたとはいえ、驚愕していた。


バルドは本来の大きさになったドランを見ているのだが、それとはまた違うようだ。


ドランの小さくお茶目な姿を見ているからか、余計に違いを感じたのだろう。


ノークの驚き方はそんなバルドの比ではなかった。パクパクと口を無意味に動かし、目を見開いたまま固まっていた。


そんな彼らを横目にファナは手を振ってクリスタへ声を掛ける。


「お〜いっ。クリスタ〜ぁ」


すると、クリスタはゆっくりとファナ達から離れた頂上に舞い降りた。


《ちぃ姫か》

「は〜い。久し振りぃ」

《相変わらずかわゆい》


目を細める黒いドラゴン。その鱗は黒く煌めいて美しい。


大きさは、本来のドランより一回りから二回り大きいだろうか。それでも山は窮屈に感じない。


「え、女? バァさん?」


バルドが混乱気味にファナとクリスタに何度も目を向ける。


「失礼だよ、バルド。まぁ、一応女だよ」

《一応とは酷いのぉ、ちぃ姫や》

「あ、ごめん。大丈夫。クリスタは師匠が見てきたドラゴンの中で一番の美人さんだって知ってるから」

《ほほぉ。それは光栄じゃて》


魔女が、クリスタの言葉はちょっと古いと言っていたのは伏せておく事にする。


「紹介するね。私の兄さんラクト兄さん。それと、こっちが冒険者のバルドで、薬師のノーク」


すると、ファナと並んでいたラクトが一歩前に出て頭を下げる。


「お初にお目にかかる」

《おぉ……そなた、あの黒焰の主人だな。先ほど、飛んでいるのを見たぞよ》

「はい。ファナの兄として生まれる前、あちらの大陸で王をしておりました」


ラクトが挨拶をすれば、クリスタは頭を低くして頷く。


《そのようだの。妾は、そこの白銀とは違い、頻繁にあちらの大陸の者達と夢で逢うのだ。そこで最高の王に忠誠を誓ったのだと聞いた》

「そうなの? そういえば、シルヴァはそんなに見ないって言ってたもんね」

《うむ。何十年に一度あるかないかだな》


大陸に散らばるシルヴァのような意思と強い力を持つ獣は、創世の昔に一つの存在だったそれが分かれ、存在する者達なのだ。


それにより、夢の中でどれかけ距離が離れていても意思が繋がる時があるそうだ。


「それで、クリスタ。この山の下の事、気付いてるんだよね?」

《……それがの……》


そうして、クリスタは暗い様子で口を開いたのだ。

読んでくださりありがとうございます◎



クリスタと出会いました。

事情を聞かなくては。



●投稿日変更のお知らせ●

少々病を患ってしまいまして、回復するまで投稿の曜日を減らさせていただきます。

週5回だった投稿を週3回にさせていただきます……。


月曜、水曜、金曜日の0時といたします。

回数は減ってしまいますが、最後までお付き合いください。


では次回、月曜の9日0時です。

よろしくお願いします◎


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