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105 駆除作戦

2017. 1. 25

ファナは先ず、毒の成分を調べ始める。ノークと二人で分析し、解毒薬を作り上げていく。


ラクトに聞けば、解毒薬を作られた事はなく、魔族の国でその毒の木の被害にあった者は眠りにつき、そのまま衰弱して死んでいったらしい。


はっきり言って、即死ぬわけではないと知り、ファナはホッとしていた。


ようやく効果のある解毒薬が出来る。それを見ていた男が尋ねた。


「出来たのか?」

「出来たよ。けど、衰弱の具合とか診て、量とか見極めないとダメだけどね」


毒を受けてからの時間は人によって違うだろう。そこも計算していかなくてはならない。


それに何より、薬の材料は集めて来なくてはならないだろう。


「バルド達が帰って来たら、材料集めに行ってもらわなくてはな。手持ちの分だけでは到底足りない」


ノークは、薬の材料となる物を紙に書き付けていた。


「なら、薬の方は任せてもいい?」

「ああ。またこの道具を使えば、いいのだろう?」


首にかけている首飾りは、発動すれば、顔を覆う事ができるものだ。毒の空気を遮断できる。中は常に空気が浄化されるのでとても安全で安心だ。ただ一つの欠点は、丸一日しか保たない事だった。


「大丈夫だけど、それを使わなくても、クリスタとシルヴァに、風で町から毒霧を上に巻き上げてもらうよ」


視界も悪くなる中での治療は難しい。それならば、クリスタの姿を見られる事になったとしても、毒霧を一旦、空へ纏めようという事になった。


問題は、その纏めた毒霧をどうするかだ。それは、ノークも疑問に思ったらしい。


「巻き上げて、そのあとどうするんだ?」

「今、それを消せるかどうかの実験をしてる」


そうして、ファナが顔を向ける先には、件の木の排除法を試すラクトがいるはずなのだ。


その時、白い焔の火柱が見えた。


「あれが……」

「なっ、なんだっ!?」


予想していた男は、感心するように見つめる。しかし、ノークは腰を抜かす程驚いていた。


「兄さんが言ってたでしょ? 『天を白、地を黒の光で包む』って。だから切った上を白い焔で、その下の根の方を黒い焔で焼いたらどうかなって」

「白い焔……」


男はその美しい一筋の光のような火柱を目に焼き付けて言った。それは浄化の焔だ。


「あれが成功なら、ノークはバルドと町の人達を。あなたは木を切り倒す役ね。その剣で頑張ってもらうから」


先ほどの白い焔で木の上部が焼きつくせるのなら、毒霧も燃やせるだろう。


そうして、ファナ達は行動に移した。


◆◆◆◆◆


男が木の筋の入っている場所を切り、倒れるより先にファナが白い焔で焼き尽くす。それは一瞬で塵すら残らない。


燃やす前に木が倒れれば、毒を一気に周りに散らすらしい。そして、切り離される前では、火が効かないという不思議過ぎる生態だった。


そして、根元の方はラクトが黒い焔で焼き尽くす。この一連の動作でようやく一本駆除できるのだ。


「おい、お前。気合いを入れろ。死ぬ気で切り倒せ」

「……わかっている……」


ラクトは面倒な事をと、男を責めていた。男もそれなりに申し訳なさそうにしている。


「ちょっと、二人とも。これ全部処分しちゃうんだから、口より手を動かす」

「「はいっ」」


なぜか男もファナには素直に従うのだった。




読んでくださりありがとうございます◎



そろそろ決着です。

みんな無事だといいのですが。



では次回、金曜27日の0時です。

よろしくお願いします◎


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