第46話
夜景のキラキラに限らず、物の見え方や感じ方は男女によって違います。男性の皆さん。夜景を見ることがつまらなくても、女性に付き合ってあげましょう。
では46話目です。どうぞ。
花火打ち上げ直前ということで、観覧車は非常に混んでいた。並んでいる人たちの大半はカップルと思わしき男女だ。残りは家族で乗る人がほとんどだった。
ん~、混んでるなぁ。結衣、これでも乗るのか?
「うん……」
結衣の決心は堅いようだった。
観覧車に並んで待つこと一時間。ようやく俺たちの順番が回ってくる。待っている間、俺たちの間に会話は全くと言っていいほどなかった。付き合わされている俺には大変重い空気だった。待っている間結衣は非常に真剣な顔をしていたため、話しかけることも出来なかったのだ。
俺たちはゴンドラに乗り込む。ここの観覧車は遊園地にある中では日本一の高さを誇るらしい。一番高いところから見える景色は抜群で、昼間は富士山が、夜には街の灯による夜景が、ものすごく綺麗に見えるそうだ。
観覧車はゆっくりと回っていく。相変わらず俺たちの間に会話はなく、ただただ時間が過ぎていく。さすがの俺も、この思いつめた結衣を見て何があるかは分かってきていた。長年の付き合いもあるからな。
「あの……あのね……康太……」
ほんのりと頬を上気させながら、結衣はついに口を開く。おそらく結衣は、今日俺と最後の思い出作りがしたかったんだろう。引っ越しをするから、その別れの挨拶をするためにこのシチュエーションを作ったに違いない。
1分間の読書、ありがとうございました。
また明日の12時に会えることを願っています。




