第26話
小説内の事件とは、小説にとって都合のいい時に起こります。
では26話目です。どうぞ。
「康太くんこっちこっち!」
はいはい。
結衣は先程までの原因不明の赤い顔が嘘のように治り、今度は興奮に満ちた表情になっていた。
俺たちが今いる駅前のデパートの中には色々な店が集まっている。その色々ある店の中で最初に選んだのが、ここ、ペットショップだ。
「わぁ~、可愛い~~!」
犬、猫、鳥、魚、蛇などなど。たくさんの種類の生き物がここの店では売られている。結衣はペットを飼っていないため、こういうところに来ては癒やされているのだとか。しかし、動物好きな結衣は残念なことに、動物に怖がられる存在だった。
結衣が動物のいるカゴに近づくと、動物たちは後退り隅で縮こまる。野生の本能で何かを敏感にキャッチしているのだろう。エロ猫のキットも同様だ。結衣が俺んちに来る度にキットは抱き抱きギュッギュされているが、キットも結衣だけは苦手ですぐ逃げ出している。
結衣、相変わらず動物には怖がられるのな。
「ねぇ~、なんでだろうね」
寂しそうな表情で答える結衣。まぁその理由は分かりきっている。何故なら――
「あっ、スリよぉ――っ!」
「えっ? ……康太くん、スリの人こっち来る」
何故なら、柔道弐段の資格を持っているからだ。
「ここは通しません! せぇ――いっ!」
ご愁傷様。
1分間の読書、ありがとうございました。
今日の18時にまた会えることを願っています。




