6話
今日の作業用BGMは艦これから夜戦(強敵)のテーマです。
まだまだ続きます、次回は大和対アイオワの死闘です。
私が再び砲撃すると摩耶、大淀、仁淀の3隻が砲撃を開始。
続いてもう少し敵機が近づいて来た所で春月、夏月が砲撃を開始した。
「隼鷹から戦闘機隊発艦しました!!」
観測員の3等軍曹の一人がそう言うと私は隼鷹の方を見やる。
確かに彼が言った通り隼鷹からは多数の零戦52型が飛び立っている。
最も、有力なラバウル航空隊出身の笹井少佐に坂井大尉や岩本大尉と言ったエース達は皆、空母瑞鶴の烈風で主力艦隊の上空直援を担当している事もあって、我々が護衛を担当する隼鷹、飛鷹に乗っていたのは訓練を終えてすぐの予科練上がりや艦爆隊から機種変更した人が多数であるのだが。
私は艦橋で最も高所である測距装置の上で左手の軍刀を指揮棒に見立て、右手にリボルバーを握り敵機を睨み付ける。
「ふっ・・・・・・我が弾幕を超えてみろ!!」
伊勢がそう言うと片舷4基の12㎝高角砲と改修によって船体中至る所に装備された25㎜機銃に、飛行甲板の真横に装備されたロケット砲が一斉に火を噴き、対空砲火と12㎝高角砲弾やロケット弾が炸裂した際に生じる破片で弾幕が形成される。
強力な対空火力を抜けた8機のエセックス所属のアベンジャー攻撃機は艦隊の中心にいた旗艦でもある空母飛鷹に狙いを定めた。
「左舷より魚雷!!」
見張り員がそう叫んだ直後、飛鷹の左舷に巨大な水柱が上がる。
「痛い!!くっ・・・・・・私の飛行機は隼鷹が回収して!」
飛鷹がそう言った次の瞬間だった、3機のヘルダイバー爆撃機が飛鷹に襲い掛かり、454㎏爆弾が飛行甲板に炸裂したのである。
「くそっ・・・・・・もう私の飛行甲板の復旧は出来ないわ・・・・・・」
飛鷹が弱気になると次の瞬間、同艦の第2昇降機から巨大な火柱が上がり、徐々に速度が低下し、少しずつだが左舷に傾斜しつつあった。
「ごめんなさい・・・・・・これ以上は耐えれないわ・・・・・・」
飛鷹がそう言うと彼女の体が薄くなり、消えていったのである。
「つまり貴様は運命に抗わないと言う事か・・・・・・」
私はそう言うと彼女から離艦した乗員たちを回収して帰国する事になった。
一方、米艦隊の攻撃に向かった主力航空隊を出した第1及び第2航空戦隊の航空機隊は攻撃行動を開始していた。
無論、こちら側も敵の航空攻撃に晒されていたのは言うまでもない。
戦艦長門艦橋
「電探に反応あり、敵機の襲来です!!」
通信士官がそう言うと長門の艦長は16ktから20ktに増速する様に命じる。すると飛龍の右舷の少し後ろにいた長門が飛龍の前に出て飛龍をを庇うような形となる。
「飛龍、お前は黙って私に身の安全を託せ・・・・・・」
長門がそう言ったが飛龍自身もリボルバーを構えた。
「いや、そんな訳にはいかない、私も戦う」
「そうか・・・・・・じゃあ、私から一時も離れるなよ!」
長門がそう言うと長門は自身のリボルバーを空へ向ける。
無論、僚艦たる陸奥も蒼龍を庇う形となり、その後ろでは赤城を大和が、同様に武蔵が琉球を庇う形となり、他の空母と戦艦も同様であった。
だが、上空には笹井少佐以下多数の撃墜王たちの乗る烈風が米戦闘機の排除と、経験豊富とはいかないが優秀な操縦士たちの操る零戦がアベンジャー攻撃機やヘルダイバー爆撃機を迎え撃つべく上空警戒をしていた。
瑞鶴航空管制室
「いよいよ来たか!!笹井、坂井、岩本の各隊は迎撃態勢に入れ!」
瑞鶴の航空運用調整長がそう言うと3人の隊長が次々に攻撃隊の護衛を務めるF6FやF4U戦闘機に襲い掛かり、攻撃隊を丸裸にする。
丸裸になった攻撃隊に対し菅野大尉が率いる烈風12機が攻撃隊の密集陣形に突入する事で陣形を破り、それと同時に零戦隊が攻撃隊に襲い掛かる。
一方、米艦隊の攻撃に向かった航空部隊はVT信管やF6F戦闘機に接近を阻まれつつも、接近した機体が攻撃を敢行し、見事ボルチモア級を1隻航行不能にし、クリーブランド級軽巡を1隻、フレッチャー級駆逐艦3隻撃沈する戦果を挙げ、戦艦アイオワに2発の直撃弾を与えたが出撃した80機中、実に48機が未帰還となり、21機が洋上不時着をしている。
しかし米軍は出撃させた攻撃部隊240機の内、半数近くが20名の撃墜王に率いられた僅か60機の烈風によって撃墜されたのである。
そして6月13日05時27分、艦隊前衛として艦隊から切り離され随伴の重巡洋艦鳥海、羽黒、青葉、衣笠と駆逐艦2隻を率いた戦艦大和、武蔵が同じく艦隊前衛として主力から切り離されたアイオワ、ニュージャージーとその護衛である重巡サンフランシスコ、インディアナポリスと新鋭重巡キャンベラ及びノーザンプトンとそれを護衛する駆逐艦2隻と遭遇したのである。