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幕間『人物設定Mk.I』

マリア・ヴィクス


臣民海軍大佐。(海軍学校予備課程一期卒業生。卒業生二百三十三人中、五位。)

一八九七年九月三日生まれ。一九三九年時点で四十二歳。華奢。黒髪に鳶色の瞳。既婚者。華奢で着膨れする体質。

イングランドのカンタベリー出身。父は海軍士官、母は「極普通の主婦」であった。


任官後はアリシェーザ級巡洋艦「ガラティア」にて航海科勤務。

シアリーズ級巡洋艦の航海長として勤務、航海中に赤痢に罹患。生死の境を彷徨う。

軍病院に入院、長期のリハビリの後に陸上勤務の誘いを拒否し、重巡洋艦「ホーキンス」艦長を務めたあと、戦艦「エジンコート」艦長に赴任する。


今でこそ沈着冷静というイメージが強いが、それは赤痢に罹患して手酷く打ちのめされてからの話であり、以前は顔見知りのプリチャード中佐曰く「ボラン少佐とイーストエンドの悪戯小僧を混ぜ合わせたようなクソ女」であったという。

また、海軍学校入学前には航空機の操縦免許も取得しており、実用段階にあった航空母艦への転属も期待されていた。

(しかし臣民海軍が獲得できたポストは航空母艦『アーガス』だけで、この艦は欠陥により居住性が劣悪であった。そのためヴィクス大佐の赴任は見送られた)


陸では好んで礼装のスカートを履いているが、艦内勤務中はズボンである。

また赤痢罹患以来「紅茶は陸で飲むもの」というジンクスを持っており、勤務中に飲むもののほとんどが珈琲となっている。

本人は航海中に飲んだアイスティーの水が悪かったのでは、と思っており、飲むとしても湯気のたつ熱い紅茶しか飲もうとしない。

髪は士官の特権として長髪で、それをシニヨンにしており、長髪にすることと引き換えに支給のグロック(ラム酒)はない。

代わりに軍医長からウィスキーやブランデーを貰っているが、これは気付け薬としてのもので依存ではない。


夫は年下のコラムニスト。恋愛結婚で子はいない。



身長:170cm/体重:57kg

階級:大佐

利き腕:右

趣味:航空機模型の収集、日誌の執筆、掃除



エディス・プリチャード


臣民海軍中佐。海軍学校予備課程機関科課程修了者。

一八九四年五月七日生まれ。一九三九年時点で四五歳。長身痩躯。茶髪を褐色の垂れ目。独身。短髪で髪質がかなり痛んでいる。

ウェールズのカーディフ出身。父は商船の機関士、母は熱心なフェミニストの活動家。


臣民海軍では主に大型艦に勤務してきており、大改装前の戦艦『エジンコート』に乗り込んだ一人でもある。

気難しい機関の扱いには定評があるが、下士官時代に事故で高温の水蒸気を浴びて大火傷を負ったことがあり、今でも身体にその火傷痕が残っている。

特徴的な声は機関室で怒鳴っていたから枯れたものだ、という説と、蒸留酒の飲みすぎで焼けたのだ、という説の二種類があるが、本人ははぐらかして応えようとしない。大穴で、もともとそんな声だった、という説があるが、誰もそんなことはないだろうと一笑する。


自身を「女らしくないただのおばさん」と自嘲気味で、幾分か独特なものの考え方をしている。

これは自身の母が熱心なフェミニストの活動家であったことと関係があるようで、酒の席でも商船機関士であった父の話は時折すれども、母の話はまったくしようとしないのもそのせいだと考えられている。

噂では、臣民海軍設立に関わったフェミニスト活動家の中の一人だとも言われているが、さだかではない。


高温高圧缶の是非については否定的な考えを持っているが、皮肉なことに臣民海軍では彼女がその高温高圧缶の最先任者となっている。



身長:177cm/体重70kg

階級:中佐

利き腕:右

趣味:真鍮細工の蒸気機関模型の作成、酒や煙草の収集



ニーナ・マクミラン


臣民海軍少佐。

一九三九年時点で三十三歳。中肉中背。スレンダーな体つき。独身。可もなく不可もない。やや吊り目。

イングランドのフォークストン出身。父は銀行家で、母は民宿を営んでいる。


臣民海軍で米軍から購入した平甲板型駆逐艦の航海長を勤め、艦長に赴任。

駆逐艦勤務の後にシアリーズ級巡洋艦の航海長を勤め上げた後に、戦艦『エジンコート』の副長となる。

冷静沈着かつ無愛想だと同期の間でも有名だが、ジョークやユーモアが欠落しているわけではない。


熱狂的ではないにせよフェミニストで、男性がつく仕事であろうと女性も従事するべきだと考えている。

しかしながら一方で謙虚な正教徒としての一面もあり、同性愛などに関してはかなり否定的な見方をしている。

なお、本人はこれでいて愛想よく振舞っているつもりらしい。


英国人目線から見ても、英国人目線から見ても、味覚が独特。だが本人はこれでいて普通だと思っている。

そのことでボラン少佐と一悶着ありはしたが、艦長に対する信頼という一点は互いに同じということで、関係は劣悪ではない。


身長:167cm/体重:59kg

階級:少佐

利き腕:両利き

趣味:スクラップブックの制作、ゴシップネタの収集、散歩



マーガレット・ボラン


臣民海軍少佐。

一九三九年時点で三十四歳。独身。あまり長身ではないが、出ているところは出ている。なぜか着膨れする。

スコットランドのパース出身。父は海軍軍人でガリポリを巡る戦いで戦死、母は謙虚な正教徒で雑貨屋を営んでいる。


臣民海軍では重巡洋艦「ホーキンス」の砲術科にて勤務した後、戦艦「アイアン・デューク」に勤務。

その後に何度か英海軍本部付臣民海軍本部から詰問を受けるが何事もなく、戦艦「エジンコート」砲術長となる。

曰く、同性愛の嫌疑を持たれた、というのが通説となっているが、本人に直接聞いたりした者が皆無であるため詳細は不明。


火力を遠距離に投射することができるなら手段は問わないようで、航空機攻撃についてかなり興味を持っている。特に航空機による魚雷攻撃にはかなり脅威に感じており、ソードフィッシュ以上の敵機が現れたときにどうすべきかを思案している。

火砲に関してはかなり入れ込みが強く、列強各国の戦艦の主砲などに関しての情報を収集しているため一種の知識袋になってもいる。

なお、クレイモアに関しては官給品。できるだけいつも帯びているのは彼女らしさの一つでもある。


戦艦「エジンコート」に勤務し始めた頃、紅茶にボラン曰く「冒涜的でありえないもの」を投入したマクミラン少佐と至近距離で怒鳴りあったことがある。

かなり癖のある人物であることに定評があるが、言い出せないようなことでも直言する姿勢は部下からの信頼が篤く、軍規に対する姿勢もそれなりに評価されている。

しかしながら一部では上官に反旗を翻してくれそうな士官として、反乱の旗頭に担ぎ上げようという者もおり、本人同様一筋縄ではいかなくなってきている。


身長:159cm/体重:57kg

階級:少佐

利き腕:右

趣味:剣術、射撃、議論




シルヴィア・ローレンス


臣民海軍少佐。(戦時特例)

一九三九年時点で二十七歳。独身。高くもなく小さくもなく。着痩せする。金髪をほどほどに伸ばしている。

イングランドのロンドン出身。海よりもテムズ河を見て育ってきた。父は陸軍退役軍人で出版社の編集長を勤めていたが既に故人、母はフェミニストで現在王立婦人海軍兵站部勤務。


重巡洋艦「ホーキンス」の航海科に勤務していたが能力不足が指摘され、その後も訓練と教育を受けていたが、戦時に伴い戦艦「エジンコート」赴任と同時に昇進。

戦艦「エジンコート」においてもその能力不足と立ち振る舞いについてが佐官として不適格とされていたが、ロフォーテン諸島沖遭遇戦以後にはそれもかなり改善に向かっている。

意外なことに、非番時には時間帯が被れば大抵ボラン少佐の隣について回っており、ロフォーテン諸島沖遭遇戦からの変化は少佐の教育の賜物なのではないか、という噂がある。


父の影響からか書き物に対して思い入れがあるようで、重巡洋艦「ホーキンス」で勤務していた時代から自分の体験を日記に記載している。

また、この日記にはエッセイやコラムのような散文もかなり書き込まれており、ちらりとその中身を見たという士官は「お嬢様みたいな筆記体だらけで驚いた」などと述べている。

事実としてローレンス少佐の字はかなり評判が良く、一般人として付き合うのなら問題はないが、佐官としてはそれでは足りない、という評価であった。


身長:161cm/体重:56kg

階級:少佐

利き腕:右

趣味:読書、執筆、雑貨集め

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