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プロローグ 新たなる夏
「なんでや、観鈴!始まったばっかりやんか!昨日やっとスタート切れたんやないか・・・観鈴!」
わたしの目の前で関西弁を話す女性が泣き叫んでいる。腕に、パジャマを着た少女を抱えて。
少し悲しそうに眠っているその少女は、もう目を覚ますことはない。
わたしはその光景を見ていられず、目をそらした。
何も出来ない自分に腹が立つ。
そして、わたしは決心した。ほかの世界の者に助けを求めることを。
少女の死、世界の崩壊を止めるために。
「救世主」に会いに行こう。