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八十二

「え?」


 一喝された亀吉、目を丸くしていると


「まま、旦那。ここはあっしに」

 そう言って、怒ってる与力の後を親分がにこやかに


「で、亀吉さん? 長十郎は何を相談しにきたのかな?」


 だがこの風貌に全く似合っていないこの台詞、かえって相手の口が重くなってしまった。


「……は……い……」


「何かな?」


「え、ええ……」


 何かが切れる音がした?


「て、てめえ! 人が大人しくしてりゃあ、つけやがりやがって! こっちも辛いんだぞお!」


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