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七十二

 あまりの衝撃的な事柄だけに、蕾以外の三人の目が大きく開かれている。


「そ、それって旦那? この奉行所に怪しきヤツがいるって事?」


 これに横から親分が


「喜助、それしか考えれねえだろ? わざわざ、中庭から出入りしたんだからな」


「ま、まあ、そうですが」


「でな、ここには二つの重要な点が存在してるんや。その一つは今言ったようにな、ここの関係者の可能性が高いっちゅう事や」

 ここで破近、緑丸に顔を向け


「も一つは、何や?」


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