二百字掌編シリーズ 『青き目をした与力』

六十二

「はあはあ……ほな、先を話すけんど」

　そして再び、隣に目をやり

「これ、白雪はんって言うんやけんど。実は、あの夜たまたま川原におってな」

　これに、七人全員の目が倍近く開かれた。

「で、下手人見てたはずやさかいな、今日こうやって皆はんの面通しをしたわけですわ」

　これにすぐさま、源五郎が

「フン。そんな豚なんかに何が……」

「知らんで」

　破近が、こう言うか言わない内に

「ブヒ？」

　一言放った白雪さん、すぐに飛んで行った。