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六十

 だが、そこに向かって濁声で


「くおら! てめえ、鬼霧組の一員になったところじゃねえか!」


「あ」


 そんな大きな口をあけている相手に、破近が


「ああ。あんさんが、仏さんの自衛団と敵対してたとこの頭やな?」


 これに


「あいつら、人の縄張りを平気な顔で荒らしまくってたからな」


「縄張りて、誰が決めたかは知らんけんどな」

 こう言って破近、その青き目を相手に向け


「で、いざこざから刺したんやな?」


「ち、違う! 俺じゃないって!」


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