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五十八
これ以上の進展は望めぬ、こう判断した吟味方。緑丸の反応もないので
「ほな、お次ですわ」
これに線の細い、おそらく三十路半ばの女が
「鷺と言います」
だがそこに
「身元は言いにくいでっか?」
「……」
「ほな、代わりに言いまんが。住職の奥さんですわな?」
「……」
「あらま。ほんなら、その寺の名前まで……」
さすがに、これには
「そ、その通りです」
「な、お鷺はん。人の道から外れた事してたらな、そらご亭主も嘆きはりまっせ」
これ以上の進展は望めぬ、こう判断した吟味方。緑丸の反応もないので
「ほな、お次ですわ」
これに線の細い、おそらく三十路半ばの女が
「鷺と言います」
だがそこに
「身元は言いにくいでっか?」
「……」
「ほな、代わりに言いまんが。住職の奥さんですわな?」
「……」
「あらま。ほんなら、その寺の名前まで……」
さすがに、これには
「そ、その通りです」
「な、お鷺はん。人の道から外れた事してたらな、そらご亭主も嘆きはりまっせ」
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