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五十七
しかし、相手は横を向いたまま
「そら人違いだよ、旦那」
だが
「そんな、忘れはしませんって! ね? 虎次郎さんでしょ?」
「し、しつこいですぞ!」
ここで破近が、間に入ってき
「まあ、松はんな。この人、こんな姿を見られたくないんやって」
「え?」
一瞬だけ目を瞬いた松殿。だがすぐに
「そ、そうか」
「で、虎次郎はんとやらな、仏さんから何ぼくらい借りてましたん?」
だが、相手は苦虫を噛み潰したような顔で
「言う必要もなかろう」
しかし、相手は横を向いたまま
「そら人違いだよ、旦那」
だが
「そんな、忘れはしませんって! ね? 虎次郎さんでしょ?」
「し、しつこいですぞ!」
ここで破近が、間に入ってき
「まあ、松はんな。この人、こんな姿を見られたくないんやって」
「え?」
一瞬だけ目を瞬いた松殿。だがすぐに
「そ、そうか」
「で、虎次郎はんとやらな、仏さんから何ぼくらい借りてましたん?」
だが、相手は苦虫を噛み潰したような顔で
「言う必要もなかろう」
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