二百字掌編シリーズ 『青き目をした与力』

五十五

　そして続けて

「何故に、ここに立っているのかがわかりませぬが？」

　これに破近が、頭を掻きながら

「あのなあ、あんまりわいらを見くびらん方がええでっせ」

「え？」

「おたくな、年老いた梟よりも若い燕の方がお好きらしいでんな？」

　いきなりこう言われて、何も切り返せない相手。

　さらに破近が

「その燕にも飛び立たれそうになったんで、飛べないようにしたんちゃいまっか？」

「そ、そんな」

　もはや、これしか言えないお鷹さんである。