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四十二

「それが夜露死苦団なるもので、その頭が、これまた虱の政という大馬鹿者でしてな」


「やっぱ、しばいたんや?」


 だが


「いえ、こいつら総勢二十名ばかりでしたが、一切手出しはしておりませんよ」


「お、そら珍しい!」


「へい。一声吠えただけで、すぐに我が鬼霧組の若い衆になりましたもんで」


 こうやって事件の際に出会う不真面目な若者を、更生させるとの名目で片っ端から組に入れる親分である。


「それなあ、しばかれる方が楽やで」


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