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「お富! おんどれ、亭主の出世を勝手に拒絶しやがってからに! 恥を知れ! 恥を!」

 こう言いまくる相手が、その拳を高々と挙げ


「グーで、どついたるわ!」


 だが、その瞬間


「あ、別にどつかんでも」


 一応、形式的にお富を守ろうとした破近だったが


「ドゴッ!」


「す、寸止めくらい、して」


 その場で大の字になってしまった。




「罪滅ぼしに、木俣様に一筆書こう」

 案外、良心的な父上様


「この鈴木十三兵衛がお願いすれば、否とは言わんやろ」


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