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三十一

 だが?


「……」


「ん? 返事はどうしました? ねね、聞いてます?」


 これに、いきなり腹を押さえだす明智様


「あいたた。ど、どうも昨夜食べたものが悪かったようで、は、腹具合が……では、ちょいとばかり厠まで」


「え? な、何よ、まったく!」


 相手の突然の行動に驚いている菖蒲殿。その背より、いきなり


「なあ、おまえさんな。いつ、わいの腹ん中を見たんや?」




 そしてここは奉行所内の一室。

 早速、上司に報告している同心二人である。


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