二百字掌編シリーズ 『青き目をした与力』

二十四

　しかしここで

「意義あり！」

「何でっか、菖蒲はん？　文句ありまんのかいな？」

　これに

「だって誰が考えたってね、そんな若造に女を探らせるなど、ちゃんちゃらおかしいでしょが！」

「はあ？　ったく、よう言うわ。そんなら……」

　だが、この与力の言葉を中途で遮ってきたのが

「若造さんでも立派な男ですからあ、女を洗うのにはあ、どこぞのおかまよりかは百倍もマシですう！」

　そう言い放って蕾、すぐに立ち上がり

「藤殿、参りますう！」