二百字掌編シリーズ 『青き目をした与力』

四

　事件同様、いや以上に、その青き目が落ちかけている破近。

　そこに姐さん

「ほら、早くご挨拶しなさいってば！」

　これに相手、いかにもうざそうに

「……ブヒ」

　驚きのあまり、地べたにへたってしまった破近

「い、犬ちゃうやん！」

　だが姐さん

「え？　誰も犬なんて言ってませんが？」

　破近、着物を払いながら立ち上がり

「確かにそうやけんど。まさか豚て」

　しかしこの時、相手からいきなり体当たりを食らい、またもや地面に転がってしまった。