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百十一 完

「では、これにて」


 殊勝にも頭を下げるお富さん。


「父上によろしゅうな!」




「台風一過やな!」


 だが、奥様の小さくなった背を見ていた緑丸が


「あ! 奥様、柄の悪い三人の若者に取り囲まれてまつ! 僕、助けに」


「ほっとけ」


「で、でも……あっ? 奥様が一人をボコボコにしてまつ!」


「ほら!」


「ああっ? 今度はもう一人をケタグリまくってまつ!」


「な!」


「それに三人目を追いかけ回し……あああっ? 抱えて、池に放り込まれたでつ!」


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