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九十九

 はたして、激しく開かれた戸より煙ともに姿を見せたのは


「ヘッヘッヘッ! 皆様のそろい踏みやわ!」


「おまえって、段々鬼らしゅうなってきたわな」

 こう言って、ようやく立ち上がった破近


「ぼちぼち行こやないか」


 だがここで


「なな? ここはわてにまかせてくれや!」


「ええで! ほな、まかせまっさ!」


 そして並んで近づき、煙にまかれている十人に――赤鬼が吠えた。



「おまえらいっぺん死んだんやろが! 何、咳き込む必要があんねん!」


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