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七十四

 森へと向かったお二人さんだが、遠くから見てもわかるくらいの位置に何かが落ちている。

 

「あれ何やろ?」


 すぐに付近まで行き、それを拾い上げた破近


「黄色の布やんか」


 そこにお富さん


「おい、あそこにもあるで!」


 これまた落ちている黄色の布。

 そして、その先にも、そのまた先にも、等間隔でこれが見える。


「何かのお誘いやな」


 それを繰り返す事、十数回。そして今、お二人さんの目の前に広がるのは


「こんな原っぱがあったんや!」


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