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六十七

「そやからな、全員と懇意にしてるヤツこそが一連の下手人ちゃうやろか?」


「徳次郎やな?」


「そや。あのお稲も含めて、かも」

 

 ここで顔を近づけたお富さん。これには亭主、反射的に


「や、やめんかい! まだ朝っぱらやないか!」


「あ、阿呆か! な、何考えてんねん、ボケッ!」


「あ、ちごうたか? にしても……ああ、びっくりした!」

 胸を撫で下ろしている破近


「で?」


「でって……おいこら! 何を言うつもりやったんか忘れたやんけ!」


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