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六十一

 その足で厨房に立ち寄った破近。そこでは、早速銀冶が夕飯の準備に取りかかっている。


「夕飯は何にするんでっか?」


「おや、鈴木様。実はきのこやら山菜やらの天ぷらを、と」


「そりゃええわ!」


 銀冶、素直に喜ぶ相手に目やり


「そうやって喜んでもらえると、作る甲斐もあると言うもので……しかし今の雰囲気じゃ」


「そらそうでんな」


 これに銀冶、慌てて否定し


「あ、でも鈴木様ご夫妻だけは、いつも美味しく召し上がられてますんで」


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