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五十六
深沓――藁でできた長靴である。
「で、これ見てみ」
言われたまま、籠の中を覗く女房
「こらまた、ぎょうさんな手拭やんけ!」
「それを一枚ずつな、百歩歩く度に枝にくくり付けんねん。そしたら迷わんで済むやろ?」
これにお富さん
「わて、われの事を少しだけ見直したわ。ほんの少しだけやで! 図に乗ったらアカンで!」
「はいはい」
「さすが世間の荒波を一人で渡ってるヤッチャな、ってな!」
「……それな、所謂単身赴任の事やろ?」
深沓――藁でできた長靴である。
「で、これ見てみ」
言われたまま、籠の中を覗く女房
「こらまた、ぎょうさんな手拭やんけ!」
「それを一枚ずつな、百歩歩く度に枝にくくり付けんねん。そしたら迷わんで済むやろ?」
これにお富さん
「わて、われの事を少しだけ見直したわ。ほんの少しだけやで! 図に乗ったらアカンで!」
「はいはい」
「さすが世間の荒波を一人で渡ってるヤッチャな、ってな!」
「……それな、所謂単身赴任の事やろ?」
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