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五十

 すぐさま皆で探し回ったのだが、風呂場はもちろん、別荘内にもその姿はなかった。


「もはや陽が落ちていますんで、外を捜すのは明日にでも」


 この徳次郎の言葉に


「な、何ですって? 女房の命がかかってるんですよ!」


「平松様。そう言われましても」


「フン、案外冷たい人だ!」

 こう吐き捨てた物書き、周りにも目をやり


「お、おたくらも一緒だ! じゃあ、私一人で外を捜してくる!」


 そしてそのまま、部屋を出て行ってしまったのである。


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