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「それとでんな、父上」


「何や? まだあるんけ?」


「はい。実はわいですね、同心から吟味与力へと二段階特進するとこでしたんやわ」


 これに相手が目を大きくし


「吟味与力やて? メッチャすごいやんけ! ん? でも、でしたっちゅうのは? そんな旨い話があるのに、何で戻らされたんや?」


 この父上、まさに機関銃である。


「でっしゃろ? わい自身も、そらもうやる気満々やったんですけど……」


 事情を全て聞かされた父上、その顔が怖すぎる。


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