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四十三

 先に別荘内を捜索している破近とお富さん。

 しかし


「お八重はん、どこにもおらんわ」


「そうみらいやな」


「どないしたん?」


「な、何もないれ」


 食いしん坊、舌を火傷している。

 この時、向こうより金治が駆けてき


「てーへんです!」


 これを見た破近


「喜助みたいなヤッチャな」


 そしてその男、目の前で


「鈴木様! 谷の手前に女物の草履が!」




 問題の物を見下ろしている吟味方


「お富、どや?」


「どや言われても、風呂でしか会っとらんしな」


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