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二十六

 早速女湯に顔を見せたお富さん。肩から手拭をぶら下げ、威風堂々たる態度で戸を開いたのだが


「おろっ? 先客かいな?」


 慌てて内股をつくろい、手拭で前を隠している。



「では、ちょいとばかし失礼を」


 湯の中につかったお富さん。そこに相手が振り向き


「あら? 確か、あなたはお富さん?」


「おやま! そうおっしゃるおたくさんは、お屋根さんで?」


「お八重です!」

 ピシッと訂正してきた相手だが


「それにしても、本当にお綺麗なこと!」


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