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六十三

 やがて、ムササビを訪れた三つ葉。そんな彼女に


「あ、三つ葉さん。どうしましたんで?」


「いえ、具合はどうかなと。それに耳に入れたい事があって」


 ムササビ、この言葉に首をやや傾げながらも


「具合は、まあまあってとこですね。で、私の耳に入れたい事ってのは?」


「実はね、今朝方月の輪が敵に襲われちゃって」


「つ、月の輪が?」


 そんな目を丸くしている相手に、さらに三つ葉が


「あ、でも、命だけは何とかとりとめる事ができて」


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