二百字掌編シリーズ 『青き目をした与力』

六十二

　ここでふと気づいた破近

「そういや、種子がおらへんけんど？」

　これに三つ葉が

「ええ、もう寝ております」

「やっぱ、まだガキンチョやなあ」

　この時、立ち上がった猿公

「よし、さっさとムササビの野郎を捕まえにいくぞ！」

　だが

「ちょっと待てや。なあ、あいつ守宮塾に寝返ったんやろ？　ほなら、そう簡単には尻尾を出さんと思うで」

「では旦那？　どうしますんで？」

「皆、ちょっと近く寄ってんか？　実はな、こんな手はずを考えてんねん」