二百字掌編シリーズ 『青き目をした与力』

五十八

「で、でも、あの時……二度も高笑いを……」

「そやねん、三つ葉はん。そやからそのオッサンな、あばらなんて折ってないんやって！」

　これに猿公が

「だ、旦那。それって、ムササビの事を言っておられるんで？」

「そや。嘘偽りちゃうんかいなってな」

　そして三つ葉も

「だ、だから、その時一緒にいた月の輪が」

「後からそれに気づいて、再びそいつんとこを訪れたんちゃいまっか？」

「そ、そして逆にやられてしまった……そうですね？」