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五十六

「え、え」

 名前を覚えてもらっているだけで、もはや舞い上がってしまっているくの一。

 やっとのこさで


「ぱ、破近様も、お、お元気そうで何よりよりですです」


 で、破近、次には見知らぬ男に


「おたくは誰でっか?」


 これに


「ウオオ! 獅子丸ですが」


「あ、そうでっかいな。にしたって、いちいち大袈裟な」

 少々呆れながらも破近、ここで皆を見回し


「今回の件、この緑丸の書いた文で大方わかってるさかいな。で、一言だけ言いにきたんや」


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