二百字掌編シリーズ 『青き目をした与力』

二十三

「いえ、話長くなるんで割愛しまつが……森の中に落とし穴があったでつ」

「な、何だって？　くっそう、あいつらめ！」

　思わず大声を上げてしまった猿公に

「猿公殿。それにしても、ネチネチいじめてきまつね」

　だがこのいじめ、こんなものでは終わらなかった――

　そして翌朝。何故か大勢の里の者たちが、池の周りにたむろしている。

「き、昨日はなかったはずでつ」

　そこに置かれているものを見ながら、握った拳を震わせている緑丸である。