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 ここでようやく


「種子な。さっきからブツブツ何や言ってるけんど、例のしょうもない扇を使う術、ちょっとは上達したんかいな?」


 これに種子、ニッコリと


「忍法『あっというまに突き刺さる、まるで何かのような白扇の術』ですね!」


「白扇だけにせえ言うてるやろ! それに相も変わらず、何かって何やねん!」

 

「そんな、小さき事なんて気にされずに」

 種子、そう言ったものの急に小声になり


「実は、いまだに投げても戻ってこなくって」


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