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八十五

「わ、悪そうな顔って? あ、案外でんなあ、奥さんって」


「す、すみません、根が正直にできてるんでえ」


「え? ま、まあよろしいでんが」

 ここで気を取り直す相手、そら相手は金づる候補だ。


「で、五年前に、統帥であられる右門様に突如神様が降臨されましてな」


 だが、いきなり鱚太郎が


「あ、それは知り合いから何度も聞かされましたんで」


「知り合いってどなたでっか?」


 鱚太郎、これに明るく


「昔同心されてた五平さんからですよ!」


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