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八十三

「おお! この命脈会に、ご夫婦揃ってご入信されたいとは!」


 ここは相手の本部。早速そこを訪れた偽夫婦。


「へい。風の噂で、何でも相当なご利益があるとか」


 これに受付の男、何度も頷き


「ええ、ええ。そりゃもうその通りでして! で、おたく様のお名は?」


「ああ。あっしは、きす……」

 ここで隣から腿をつねられた男


「鱚太郎です」


「ああ、キスタロウさんとおっしゃるんで。それにしても変わった名ですなあ。で、お隣の奥方様は?」


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