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七十四

 だが、さすがの緑丸も歯切れが悪くなり


「そ、そこは僕にも」


 これに助け舟を出してきたご主人


「ま、そんなに苛めたりいな。で、喜助?」


「へい?」


「来るはずやったヤツがおったな?」


 これに目を天井に向けた相手が


「あっ、確か京の信者で急用で来れなくなったと」


「なあ……そいつってな、ホンマは山荘に来てたんちゃうか? 前日とかに呼び出されて、な?」


「ええっ?」


 無論この喜助に限らず、そこにいる全員とも目を丸くしている。


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