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七十二

「日記にもありまつが。久吉さんを見た宗三郎さんは、すごく気が動転されてまつ」


「そやったな」


「で、そこに瀕死の状態だった……『相手の首が大きく揺れた』との表現でつ」


 これに破近、目を閉じたまま


「おまえの言わんとする事が、ようわかったわ。つまり久吉は……」


「死んだ振り、かなあって」


 これを聞いた他の三人さんが、一斉に息を飲み


「な、何と!」


「でもな、朝ちゃん。確かに確認してないんやわ、宗三郎は久吉の死をな」


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